2000/03/20  「リンリンとランラン」

 リンリンとランラン

 最近お仕事が非常に忙しい‥。 
 金曜日の夜も週明けに開催されるプレゼン用の資料作りに追われ、終電まで残業だった。
 途中でNoriさんから『俺今ろっぽんぎー。どう?』って電話があったけど、
 とてもじゃないけど行けそうもなかった。

 夜中のギリギリまで残業して地下鉄に乗り込んだ。途中で東西線に乗り換えて眠りこける。
 疲れた‥‥‥。目が覚めた。「お客さん!」おわ!?
 駅員に起こされた。「終点ですから降りてください。」相変わらずサービスと愛そうが悪いと
 思いながら目をこする。「ここはどこじゃー!?」
 
 そこは「東陽町」という駅で、僕の住む町「津田沼」まではもう行けない。
 眠さのあまりさほど驚きもしなかったが、途方に暮れた‥。
 夏だったら公園で野宿しちゃうが、今は冬。寝たら凍死間違いない。
 
 ここに居ても仕方がないので、錦糸町まで歩くことにした。
 これで少しは体も暖まるし、歩いていれば眠らないで済む。ここまでくると、
 何やってんだか分からなくなってきたけど、ひたすら歩いた。30分位‥。
 
 そして到着。現在、夜中の1:30なり。
 始発が来るまであと4時間。何して過ごそうか考えながら缶コーヒーを買っていると、
 一人の女の子が声をかけてきた。『マッサージどうですかあ?』
 
 ゼンジー北京なみの中国なまりな日本語。
 『しないよ。』と断ると、その子は、近くを歩いていたフラフラおじさんに標的を変更。
 フラフラおじさんはその10分後、その甘い誘惑に負けてお店にひきずり込まれた‥。
 まさにアリ地獄‥。
 
 総勢10数名に及ぶそのリンリンとランラン達は、非常によく働く。
 キャッチ、キャッチ、またキャッチ。効率良くバンバン仕留める。
 日本人の下心をよく研究してること。感心。そんなことが朝まで続いた。
 
 退屈で死にそうなこの4時間を、僕は錦糸町のキャッチ観察で過ごした。
 特に彼女達に感銘を受けたわけでもなければ、彼女達について語ることもない。
 ただただ、退屈だったから観察していただけだった。
 
 やがて始発が走り出し、それに乗って家路についたのだが、帰りの電車の中で考えて
 いたことはただ一つだけ。
 
 『日本語話へたくそだったなー。』
 
 どうでもいい事を考えながら4時間が過ぎた。
 目的もなくブラブラし、SSのゲリラステッカーをペタペタ‥。
 缶コーヒーを飲んではタバコを吸って、夜空を見上げた。
 「早く朝こないかなー」
 時々だけど、そんな時間があってもいいのかなーなんて思えた。
 
 それにしても眠い‥‥。これから布団に入って6時間。
 サラリーマンもしばらくお休みだ。
 誰にでも休息は必要ですね。
 リンリンランランも早くお家(祖国)に帰りなさい。

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